株式会社高田

お知らせ

2025.09.14

家族葬とは?参列マナー・香典辞退や供物辞退・廻り焼香など石川県加賀市の現実とともに解説

石川県加賀市でも広がる「家族葬」。参列マナーや香典・供物辞退の考え方、新聞お悔やみ欄の変化、廻り焼香など現場の実情をわかりやすくご紹介します。

家族葬とは?地域に広がる新しい葬儀のかたち

「家族葬」という言葉は、今では多くの方に知られるようになりました。以前は「新しい葬儀のかたち」として紹介されることが多かったのですが、すでに広く定着し、石川県加賀市でもごく一般的な選択肢のひとつとなっています。

ただ、家族葬といっても一つの形に決まっているわけではありません。
・親族だけで本当に小さく行う場合
・数十名ほどの親しい方を含めて行う場合
・地域のしきたりを一部残しながら、規模を縮小する場合
と、その内容はご家庭ごとにさまざまです。

ご遺族は「身内だけで静かに送りたい」と願うことが多い一方、周囲の方々は「お付き合いがあるのだから参列すべき」と考えることもあり、その間に戸惑いが生じることも少なくありません。

~家族葬で実際によく聞かれるご遺族の声~

加賀市で実際に家族葬を執り行われたご遺族からは、次のようなお声を伺います。
・「親族だけで静かに送りたかったのに、町内の方々が着席してしまい、想定外の大人数になってしまった」
・「香典は辞退と伝えたのに、『受け取ってほしい』と無理に置いていかれて困った」
・「葬儀後にたくさんの方が自宅に訪ねてこられ、外出すらできない日が続いた」
こうした事例は、家族葬が一般的になってきた今でも頻繁に起きています。

「静かに送りたい」というご遺族の願いと、「お世話になったからお参りしたい」という周囲の気持ち。どちらも尊いものですが、両立が難しいことも現実です。

本来はご遺族を思いやっての行動であっても、結果として大きな負担になることがあります。こうした現実を知っていただくことが、家族葬への理解につながるのではないでしょうか。


~家族葬における参列マナーとは~

家族葬の案内があった場合、基本的にはご遺族の意向を尊重し、一般の方は参列を控えるのがマナーです。

「参列しないと冷たいと思われるのでは」と心配される方もいます。しかし実際には、参列を控えることはご遺族の意向を尊重する思いやりです。これまでのご縁や故人への想いがなくなるわけではなく、心の中で手を合わせることで十分に故人を偲ぶことができます。

これまでのお付き合いを考えると「最後に一度だけ顔を見たい」「手を合わせたい」と思うのは自然なことです。しかし、家族葬とは「家族・親族だけで送りたい」というご遺族の意思表示です。その気持ちを尊重することが、何よりのご供養につながります。

ただし、石川県加賀市などでは地域のつながりが強く、「事前に自宅へ伺ってお参りを済ませ、その後の通夜・葬儀参列は控える」という方も一定数おられます。これはご遺族の負担を軽減しつつ、ご自身の気持ちも大切にする行動であり、配慮ある形といえるでしょう。

~廻り焼香という双方の思いを汲んだ方法~

「どうしてもお参りしたい」という気持ちを持つ方に選ばれているのが「廻り焼香」です。

これは通夜・葬儀開式前に会場に立ち寄り、焼香とご挨拶を済ませてから帰る方法です。式そのものには参列しないため、ご遺族の意向を尊重しながらも、ご自身の気持ちを形にできます。

廻り焼香は、ご遺族・地域・参列者のそれぞれの思いを大切にした形として広がりつつあります。

~香典・供物辞退という選択~

最近、家族葬にあわせて「香典辞退」や「供物辞退」を選ばれるご家族も一定数おられます。

香典や供物はもともと「お互い様」であり、助け合いの心から生まれた習慣です。実際にご遺族からは次のような声を聞くことがあります。

「自分たちの代ではやり取りできるけれど、これを続けると子供たちにまで負担がかかる」

「これからの世代に大きな責任を残したくない」

そのため「自分の代で区切りをつけたい」と考え、香典や供物を辞退するケースがあるのです。

この辞退は決して「これまでのお付き合いを断つ」ものではなく、「次の世代に負担を残さないように」という優しさから選ばれています。受け取らないこと自体がご遺族の希望であるため、無理に香典や供物を持参するのではなく、そのお気持ちを尊重することが大切です。

そして大切なのは、香典や供物の辞退は「これまでのお付き合いを断ち切ること」ではない、という点です。むしろ「香典や供物のやり取りがなくても、これからも変わらぬ関係を大切にしたい」とご遺族は願っておられるのです。

~新聞お悔やみ欄の掲載方法の変化~

新聞のお悔やみ欄も、家族葬の増加に伴って変化してきました。

以前は「通夜・葬儀共、終了しました」と掲載するのが一般的でした。しかしこの方法だと、後日ご自宅に大勢がお参りに来られることがあり、ご遺族の大きな負担になっていました。

その一方で「一切掲載しない」となると、「どうして知らせてくれなかったのか」と不満を口にされる方もいます。

そこで近年は「通夜・葬儀の日時を事前に知らせ、家族葬にて執り行います」と掲載する方法が増えています。この掲載方法であれば、ご遺族の意向を尊重しつつ、周囲の方も事情を理解しやすくなるため、双方にとって安心感が生まれます。

~家族葬が選ばれる背景~

加賀市に限らず、全国的に家族葬を選ぶ方は増えています。その背景には、
・高齢化により参列できる親族や知人が減った
・遺族の負担を軽くしたいという思い
・時代の変化に合わせて、よりシンプルで心のこもった葬儀を望む人が増えている
といった理由があります。

「家族葬はもう特別な葬儀ではない」というのが、現実となってきています。

家族葬でも変わらない「人と人とのつながり」
形は変わっても、葬儀に込められる想いは昔から変わりません。

家族葬を選んでも、香典や供物を辞退しても、それは「ご縁を大切にしない」ということでは決してありません。むしろ、「静かに送りたい」「次の世代に負担を残したくない」というご遺族の願いは、相手を思いやる気持ちにあふれています。

大切なのは、ご遺族の意向を尊重しながら、それぞれの立場で「つながりをどう守るか」を考えることです。こうしたことを理解していただければ、家族葬はもっと温かく、安心して受け止められるものになるはずです。

~よくある質問(FAQ)~

Q. 家族葬には必ず参列しないといけませんか?

A. 家族葬と案内がある場合、一般の方は参列を控えるのが基本的なマナーです。どうしてもお参りしたい方は、事前訪問や廻り焼香を選ぶこともあります。

Q. 香典や供物を辞退された場合、どうすればいいですか?

A. 無理にお渡しする必要はありません。香典や供物の辞退は「子供たちに負担を残さないため」という思いやりから選ばれることが多いです。

家族葬は今や加賀市でもごく普通に選ばれる葬儀のかたちとなっています。

参列マナー、香典や供物辞退、新聞お悔やみ欄の変化、廻り焼香など、地域の実情に応じて形は変わってきていますが、根底にあるのは「人と人とのつながりを大切にしたい」という想いです。

私たちセレモニー会館タカダは、これからも地域の皆さまと共に、一人ひとりの思いに寄り添ったお別れのお手伝いをしてまいります。


セレモニー会館タカダ
葬祭ディレクター  楠明倫